アイマスKR、見ました

電子レンジが突然壊れたんです。このGWの真っ只中に。

昔ながらのダイヤル式を愛用してるんですが、ある朝回したら取れてしまいました。ダイヤルが。
これはぼくにとって死活問題です。
慌ててAmazonで(ダイヤル式の)電子レンジを探してお目当てを見つけ、「はー、あったあった」とホッとしきってよく確かめもせずにぽちってしまったのがいけなかったのでしょうか。
その瞬間、ぼくはAmazonプライム会員()になっていました。

詐欺だと思うんですよ。
いつもと同じ購入ボタンを押したはずなのに、ボタンの中に小さく(アマプラを)「試す」と書いてあって。「お急ぎ便」がどうの、とあった気もします。
あ、しまった!と、思ったときにはすっかり後の祭りで。

ぐぐってみたところ、同様の “被害” に遭われた方々があちこちに。
口を揃えて「ワンクリック詐欺だ!」と憤っていました。ですよね~・・・
まずはさっさと解約手続きして、それから消費者センターなりなんなり出るとこ出ましょうか、と。
己の不注意の致すところなのは重々承知してはいるのですが、「不注意」で片付けられてしまったら詐欺被害なんてこの世に存在しないわけで。


さっそく解約手続きをとったところ
「会員資格は5/31に終了します」みたいなことを言われたわけです。
そっか、すぐに解約しても一ヶ月は資格が有効のままなんだな、

・・・あれ?
これ、もしかして。
アイマスKR、見れるんじゃね?

── というわけで。
気にはなってたけど見る踏ん切りをつけられずにいた、
アイドルマスター.KR』(以降「アイマスKR」)観賞の機会をひょんなことから得ることとなったわけなのです。

ぼくがアイマスKRにどんな気持ちをもっていたかは、一年ほど前にあげた次のblog記事の一番下に書きました。

明らかに「もやもや」しています(^^;

そんなもやもやを抱えたまま、実際に見るのが一年後になってしまった理由はごく単純で、「有料だから」。
そうは言ってもゲーム買ったりしてるじゃん、と言われてしまえばそうなんですが、そういう意味では「お金を払ってまで見たいとは思わなかったから」、ということになるのでしょう。
その理由もけっこう単純で、もやもやしてて踏ん切りがつかなかったからですし、ジャケットやHP等で提示されるキービジュアル的な彼女たちのイメージに “お店感” を感じて「アイマスとしてなんか違う」と違和感を覚えたのもありますし*1、そしてもう一つ言ってしまえば、韓国という国が苦手で避けたい気持ちがぼくの中にあったからです。

通っていた学校の近くに朝鮮学校がありチマチョゴリを見慣れていたこと、「お隣の国」という距離の近さや、「万葉集は古代朝鮮語で解読できる」という趣旨の本をたまたま読んだことなどから、昔のぼくは韓国に親近感を覚えてまして。
ハングルの音読ができる*2 のもそれがきっかけでちょっと勉強したから。自分の名前をハングルで書くこともできます。
でもその後、日本と韓国のあいだでいろいろなことがあって、正直な話 “うんざり” してしまい。アンチになったというわけではないんですが、関わらないで済むなら関わらずにいたい、そんな気分を持つように。

そういうマイナス感情が足を引っ張り、「お金を払ってでも触れる」というハードルを、ぼくの心が越えてはくれませんでした。

逆に言えば、お金を払わなくても触れられる部分には触れてみようとはしたのです。
先のblog記事の一ヶ月ぐらい後に日本でアイマスKRのイベントがあって、その中継をニコ生でもやってたのですが、そちらは見させていただきました。*3
今回も、たまたま「無料で見られる」ようになったから、ちょっと見てみようかな、ぐらいの気持ちで見始めることとなったのです。

作品の概要はこちらの記事でだいたいわかります。(なぜこのサムネ…)


結論を言ってしまえば、見てよかった、と思いました。

商品紹介ページの下のほうに「カスタマーレビュー」があります。
ネタバレを避けたかったのでドラマを見終えた後で改めて読んだのですが、☆☆☆☆☆(五つ星)の高評価レビューはぼく自身の抱いた感想をかなり過不足なく表してくれていると思いました。
この作品がどんな作品か、というより、この作品を見終えた後で人はこの作品をどんな目で見るようになるのか、その見本としてお読みいただければ。

始めのうち、特に第1話は頭の中が「?」だらけでピンともティンともきませんでしたが、話数を追っていくうちに「なるほど」と思うようになりましたし。
つまらなければ切るかと思って見始めたのが、結局45分×全24話、30分アニメでいえば4クール分もあるこの長丁場をほとんどノンストップで見続けてしまったぐらいには引き込まれましたし。
ぼくにとって最初の転機は第8話。“KR版やよい” というべき貧乏少女(?)ジスルさんのエピソードはぼくの涙腺をかなりダイレクトに攻撃してきました・・・

「いかにも韓国ドラマ」というレビューをちらほら見かけましたが、韓国ドラマ初見のぼくは日本の昔の「ジェットコースタードラマ」という印象を持ちました。
各話の冒頭で問題が発生し、終わりごろまでにようやく解決に至ってハッピーハッピーと思ったら、今度は伏線の敷かれていた別の爆弾の導火線に火がつき、「この後どうなっちゃうの!?」というところでEDになだれ込んで次回に引く、というパターンを各話ごとに繰り返しながら、基本線としてずっとキリキリ胃が痛むようなシリアスエピソードが続きます。
第1クールのEDは韓国版の「THE iDOLM@STER」(歌マス)で「ええっ、この暗い雰囲気で歌マスで引く!?」と驚いたのですが、第2クールでは「アイ MUST GO!」が流れて正直笑ってしまいました(^^;*4
悲しかったり辛かったり悔しかったりうれしかったりと理由はさまざまですが毎回誰か泣いてますし、このドラマを見て最初に覚えた韓国語の単語は「ビヤン(ごめん)」*5だったり・・・

このストーリーをアニメとしてやったら、シリアスアレルギーもあれば「うちの子が犠牲にされた」と怒る人も出たはずで、これは実写でやって正解だったな、と。
いや実写だからこういうお話にしたという面もあるのでしょうが、アイマス世界の中でのアイドルたちの人生における、2次元〜2.5次元だといろいろな事情で描きづらいシリアスな側面を、「人生こういうことだって時にはあるよね」と受け入れやすいかたちで描いたものを見たのは、少なくともぼくにとってはプラスの経験になったんじゃないかな、と思います。
一方で、実写だからといって必ずしも「リアル」というわけではもちろん無く。
第2話終盤に出てくるスア(アイドルで主人公スジの双子の妹)の街頭CMやポスターなどは象徴的で、普通に考えたら亡くなったアイドルのCMやポスターなどいつまでも掲示され続けるはずがありません。国内ドラマでこんなシーンを見たら違和感MAXで見てられないかもしれませんが、韓国という外国のドラマだからそこまで拒否感が湧かずに済んだというところもあったかも。

韓国ドラマは初見だったので、「右車線の左ハンドルなんだ」とか「お、こっちでも箸つかうんだ。て、なぜにご飯はスプーン!?」とか「世のお父さんお母さんはどこでも変わらないんだなあ」といったところも興味深かったです。
その流れで言うと、このドラマでは「アイドルとその家族」の関係性が(アイドルたちの食事シーンとともに)頻繁かつ詳細に描かれていたのですが、翻ってアニメだとこういう ”生活感” って二の次三の次にされがちだな、とも。

登場人物といえば、アイマスで「プロデューサー」に触れないわけにいきませんよね。

このドラマでのプロデューサーであるカンP(カンプロ、と呼ばれています)は、これまでのアイマスであまり例のない「アイドルの前でカッコつけようとする」人物でした。あるいは「カッコ悪い姿を見せたがらない」と言うべきか。
ふだんはクールなイケメン然としてますが、アイドルたちのための曲ができた、と誰もいないと思ってはしゃぐ姿を目撃され照れて逃げ出すコミカルなシーンもあれば、真情を隠して周囲から誤解され孤立するシリアスなシーンもあります。過去にトラウマがありアイドルたちとの距離のとり方に苦慮する様はさながらシンデレラの武内Pのようです。
でも、どんなにカッコつけようとしてても、どんなにイケメンでも。一方でアイドル候補生たちの成長のため試練を与え厳しく指導しながら、その一方で、彼女たち自身の夢の実現を目指して曲の確保や家族の説得などに奔走するその姿を見た結果。
カンPは、まぎれもなくぼくらの「同僚」だと、ぼくは認めざるをえませんでした。


・・・すると、この作品に対するぼく(ら)は何者なのか、という疑問が湧く人はいると思います。

一年前に書いた記事でぼく自身そういうことを言ってますし、先ほどの概要記事のはてなブックマークについているコメントの中で同様のことを吐露されている方も見かけました。
ドラマを見終えてのぼくの(ぼく自身への)回答は、これです。

「面白かったし、これはこれでいいんじゃないかな」

765やシンデレラのアニメだって劇中にプロデューサーが存在して、「アニメに対しては」見ているぼくらは一観客に過ぎないという点で特に変わりはありません。*6

『FFシアトリズム』に対して「これはRPGではない。よってFFではない。なぜこれをFFでやる必要があるのか」。KRに投げかけられる疑問は、どことなくこれに似た響きを覚えます。
RPGだけが(RPGだから)好きなFFファン」にとって、FFシアトリズムは受け入れようがありません。でも、それで楽しんでる人がいるなら、それはそれでいいんじゃないか。誰かの楽しみが増えて、世界全体で“楽しみ”の総量が大きくなるなら、それに越したことはないんじゃないか。
ぼく自身はこういう結論で納得しました。

見て「いまいち」だと思った方には、実際そうだったんだと思います。人には好みの違いがあるので、「いやそれはだから〜」などと否定したってしょうがありません。

見てなくて、「面白そうだけどなぜこれを〜」と言い続けている方がいるとしたら、間違ってアマプラ会員にされてしまう前のぼくと同じ状態なんじゃないかと思います。
これが無料公開されていたら四の五の言う前にまず見てから云々できたものが、そうではないので、その手前で「う〜む、う〜む…」と足踏みを続けてしまうのです。こうなってしまうのはよく理解できます。ぼく自身そうだったので。
最近になってKRは「アマプラ以外にTVでも見られるようになった」とのことですが、調べてみたらぼくにとってはアマプラ以上にとっつきにくいサービスでした。
ぼくに提案できることがあるとすれば、ぼくと同じように、GWや正月など連休のとれたところで一ヶ月のアマプラ無料会員登録を使ってイッキ見されてはいかがでしょうか、ということぐらいです…*7

最近公式のニコニコチャンネルもでき、これから何かあるかもしれませんので、こちらを紹介して本記事はお開き。
お読みいただきありがとうございました〜<(_ _)>


というわけで最近のアイマス声優ラジオのおすすめ。
この頃はニコ生だけでなく、Abema FRESHやShowroomなどいろいろなサイトでやるようになりましたが・・・

ニコ生の「セカンドショットちゃんねる」内でこの春から始まったこちら。

チャンネルページはここ。

芸人のゴー☆ジャスさんと、ミリオンの百瀬莉緒役・山口立花子さんがMCで隔週放送。声優をゲストに呼んで、ミニゲーム対決する番組。
今後どうなるかわかりませんが今のところ、同じセカンドショットちゃんねる内に番組をもっていて、かつ近頃CDリリースをする人をゲストに呼んでおり、ゲストがミニゲームに勝つとゴー☆ジャスさんが初回限定盤を実費で買う、という内容。
これまでのゲストは第1回が戸松遥さん、第2回が山崎はるかさん、第3回がPyxisの二人、そして今度の第4回(上の)が立花理香さん、とアイマスづいてます。早見沙織さんやTrySailの三人がくることも、今後あるかもしれません。

ちくわさんが出るからちょっと見てみるかと思って見始めたら想定外に面白く、毎回声を出して笑いそうになるのでおさえるのが大変です(^^)
ちくわさんの他の番組であまり聞かないタイプの笑い声もポイントでしょうか。

*1:なんだか昭和感満載の前期OPといい、ドラマを見終えた今見返しても「お店」と思ってしまいます(^^; 正直な話、宣材写真がイメージを損なわせてる感が無くもないような…
ドラマの中の彼女たちはもっと普通の女の子たちで、特に主役のスジさんは連続テレビ小説の主役を張りそうなすっきり美人でした。こちらはYouTubeアイマスKR公式チャンネルのスジさん紹介VTR。1998年生まれなので18歳のときのもの。→https://www.youtube.com/watch?v=sEQsEKzNGLk(タイトルは「5番 - イ・スジ」)

*2:ハングルはアルファベットなので読み方を覚えれば簡単に読めるようになりますよ。たとえば韓国産の麦コーラメッコール」のスペル「맥콜」は「ロ(m)H(e)フ(k)フ(k)┴(o)己(l)」のように読みます。でもぼくは単語を知らないので意味はわかりませんが(^^;
日本語と朝鮮語は文法がほとんど一緒でこれまた覚えやすいですし、ハングルは実のところ割と最近使われ始めた文字でそれ以前は漢字を使ってたわけですから万葉仮名とリンクする話もあり、日本語の元ネタは朝鮮語だったというのもあながち外れた話でもないのだろうと。細かい話はこちらを参照→日本語の起源 - Wikipedia

*3:だから、演者のうち日本人のユキカさん以外に、イベントの中で堪能な日本語を話されメンバーをリードしていたソリさんのことも、ドラマ本編を見る前に印象深く記憶していました。

*4:これ、感動して泣くための曲だろうと…(^^; 実際後の方のエピソードでは挿入歌として “らしい” シーンで使われることもありちょっと胸をなでおろしたのですが。

*5:スペルが「미안」なので本当は「ミアン」と言っているそうです(「ロ(m)|(i)○(ア行の子音文字)ト(a)L(n)」)。

*6:とは言いつつ、アイマスのお約束として演者さんは視聴者・ファンに対し「プロデューサー」と呼びかけることになっているようです。たとえばこちら→https://www.youtube.com/watch?v=29E8yocx1jgアイマスKR公式チャンネル「アイドルマスター.KR 放送終了の感想」)

*7:どうもAmazonプライムの無料体験は一回限りでないようです。
何を契機にリセットされるかはわかりませんが、無料体験登録後に解約し期間を過ぎた後でも、「無料体験登録」ボタンが復活することがあるらしく、何回も無料体験している、という方の書かれたblog記事をいくつか目にしました。
自分はそもそも初めての無料体験期間が終わってすらいないので、もちろん実体験したことではなくご参考となりますが、一回限りの無料会員権をこのために使うのはちょっとなあ… と二の足を踏まれている方にはそれなりの朗報なのではないかと。
もちろんご利用は自己責任でお願いしますが、一点、アマプラ無料体験はほっとくと自動継続がかかって翌月以降会費請求がくるので、ぼくと同じように会員になった時点で忘れないうちに解約されておくのがよいかと思います。