ニコニコの近況

こないだZeroを使い始めた話をしたばかりなんですが、その矢先に新バージョン発表会とは…
このフットワークの軽さがニコニコのよいところでもあるのですが、Zeroが完全改悪だったために、あまり期待できないのが悲しいところ。
いえ、Zeroはまだ使い続けますよ。マイリストお気に入り機能がけっこういい感じですし。あと、発想がコドモっぽくてちょっとそれはどうなのかと思っていた「タグ編集のリアルタイム反映」ですが*1、アニメ『となりの怪物くん』第一話を見たところタグ編集合戦を初めて目の当たりにしまして。意外に面白かったのがちょっと悔しい。*2


ところで、「第5回動画アワード」の投票が始まっています。
投票システムが前回と同じなので評価方法も前回と同じなのだと思いますが。ぼくはニコニコ動画アワードも毎回欠かさず見てるんですが、前回(2012年上半期)のアワードはぼく的には、Zero同様「劣化」と感じました。
何がよくなかったといって、(い)ただの人気投票になってしまったこと、(ろ)アワード生放送で投票できずライブで見る意味が無くなってしまったこと、(は)ゲストがでしゃばり過ぎて見るに耐えなかったこと。


(い)について。すべてのユーザーに平等に5回までの投票権が与えられたわけですが、これでアワードを受賞したのがじんさんの「如月アテンション」。
いやー、分かり易すぎるオチでした。一般投票で決めれば、もともと人気のある動画がそのまま横滑りしてくることは明らかで、ニコニコで人気のある=ボカロ曲で一番人気の、ということですから。じんさんと言えば対象期間には他にも「想像フォレスト」等が入ってますが、より再生数の少ない如月アテンションのほうがなぜ選ばれたのかと言えば、「利用可能性ヒューリスティクス」の一言で方がついてしまいます。*3
ぼくはニコニコ動画アワードを「埋もれた神動画」に光を当てるイベントとして評価していたので、ただの人気投票になってしまったら「見るまでもない」ので見る意味が無くなったと思いました。この調子だと第5回で何が選ばれるか、見るまでもなく明らかなので、かなりゲンナリです…
こういうところはMMD杯やニコマス20選が参考になります。MMD杯は単なる人気投票によって決まる部分よりも、運営やゲスト審査員が個人的・恣意的に選んだほうが「本編」と認識されてますし、実際そこを期待して見ている人が多いと思います。ニコマス20選は人気投票の形式をとってはいますが、投票者層が一般ユーザーと呼びにくく、玄人好みなものが選ばれる傾向があります。


(ろ)と(は)はぼくのようにアワード生放送を毎回見ている人ならうなづかれることだろうと思います。
第3回までのアワードでは、運営(?)が恣意的に選んだいくつかの動画の鑑賞会があり、その中から視聴者が「アワードにふさわしい」と思った作品を投票によって選出する、という形式をとっていました。しかし第4回と今回は事前投票形式なので、生放送のほうは「すでに決まってしまった結果を見るだけ」となりその意味でも「見る意味が無くなった」感があります。実際、アンケートも出てこずに受賞作が発表されたときは「えー?」と思いましたし。何のために今までスタンバってたのかと。
また、第3回まで番組はゲストがこじんまり動画の感想を言い合っていた感じでしたが、第4回は何というか、一言で言って「芸人バラエティ番組」のようでした。これがさらに一歩進むと、今度はスタジオの芸人がワイプの中で素人を小馬鹿にしたような態度をとるぼくの一番キライなタイプの番組になりそうで、この方向性への路線変更は正直かなり危惧しています。
その意味では、第一回からメイン出演者を務めている手塚眞さんが「誰でも参加できるアマチュアっぽさこそニコニコ動画の持ち味」と言って、同じくゲスト出演していたNHKのプロデューサーの発言*4を批判したのは、ぼくにとって「番組唯一の良心」と映りました。


イケメンライブっぽさを強めた学芸会風の「ニコニコ大会議」から、カオスなところも合わせ呑んだ文化祭風の「ニコニコ超会議」、および地域密着型の「ニコニコ町会議」への方針転換は大歓迎でしたが*5、アワードとZeroがユーザー不在の暴走を始めかけているのも、きっと何とかしてくれますよね、運営さん!?


ところで、2012年も下半期の後半に入ったので、ニコマス20選とボカロ20選(?)向けにマイリストの整理を始めたんですが、
…20選候補が50を突破してましたΣ( ̄□ ̄;)
まだ半分ですよ? この調子だと、100を超える中から20に絞らないといけないのか…。

*1:なんでこんないかにも重くなりそうな機能が追加されたのかと言えば、カワンゴさんの話によれば「タグの編集合戦を誘発するため」とのことで。→まもなく公開「ニコニコ動画(Zero)」、川上・夏野氏が注目ポイント解説 -INTERNET Watch Watch

*2:ダブルヒロイン」とか「あらかわいい」とか「※ただしイケメンにかぎる」とか「イケメンでも無理だった」とか、消して書いて消されてまた書き直して、を躍起になって繰り返している様子が面白くて、本編がなかなか頭に入ってきませんでした(^^;

*3:人は一般に、ググれば最初のページに出てきた検索結果しか見ないし、「直近/最近のできごと」にこだわりやすいのです。この二者ではどちらがよかったということでなく、より「後に(最近)」投稿されたほうが勝った。それだけの話なのだと思います。

*4:ある動画の講評の中で「こんな画面づくりをしたほうがよりプロっぽい完成度の高い映像になりますよ」的なことを言っていました。

*5:とはいえ、数億の赤字を出して平然としていることは一株主として非常に気になるところ。一介のサービス利用者の方にはわからない感覚かもしれませんが、赤字を出せば会社は潰れるんです。このごろのドワンゴの株価低迷は、もちろん日本全体の不況を反映しているということもありますが、それ以上にこうした「経営姿勢」を危ぶまれて投資家が逃げ出したためもあるだろうと思います。ニコニコユーザーの皆さん、ニコニコが潰れて無くなったらイヤでしょう? よく「嫌儲」なんて言いますけど、誰がなんと言おうと、事業継続のためには黒字を出すこと=儲けることが絶対に必要なんです。それが理解できないのは現実を知らないオコチャマと同じだと思います。