スマホで英語の勉強(2)

だいぶ間が開いてしまいましたが、以前の話のつづきです。


ENGLISH UPGRADERがもともとポッドキャストだったので、ポッドキャスト配信されている英語教材が他に何かないか。そういえば中学時代、基礎英語やラジオ英会話を聴いてたなあ。耳で聴く英語教材といったらやっぱりNHKラジオ第2だろう。ぼくは安直にそう考えて、ググってみたところ期待どおり。ネット上でも番組をストリーミング放送のかたちで公開していました。

これがダウンロードできたら嬉しいなあ。パケット代を抑えたいという理由もありますが、通勤中に聴いていると、地下では電波が届かず聞けなくなるのを何とかしたかった。しかしこれもググってすぐ解決。

すばらしいのは、これがWindowsばかりでなくLinuxでも使えるところです。
zipアーカイブファイルのかたちで置いてあるので、これをダウンロードして解凍すると、中に「CaptureStream.sh」があります。コンソール上で実行してもいいですが、Nautilus上でもそのままこれをダブルクリックして、「実行しますか?」と聞いてくるので「実行する」ボタンをクリックすれば、NHKラジオ英語講座の音声をダウンロードしてmp3形式で保存してくれます。
後はスマホをPCにつないでmp3ファイルをコピーし、スマホ側のメディアプレイヤーで開くだけ。こうして、持続的な英語勉強生活をスタートすることができました。


『基礎英語』はさすがに簡単すぎ、『ビジネス英語』はつまらなくて聴く気になれなかったので、結局『ラジオ英会話』に落ち着きました。
やりたいことは読む“以外”の英語力をつけたいということなので、ぼくは基本テキストを見ません。知らない単語、知らないイディオムさえ出てこなければ初見(?)でもある程度聴きとれますし、「Words and Expressions」という語彙解説コーナーがあるので、それでだいたいカバーできます。テキストを読んじゃうと「聴いて理解しよう」という気持ちが薄れてしまう、そう感じられたので見ないことにしました。そうはいっても最終確認は必要なので、テキストは毎月購入してます。株主優待で送られてくる図書カードがけっこう余っていたので、いい使い道が見つかったと思いました。
こうして始めてみてわかったのは、「意外と聴けるぞ、わかるぞ」ということ。話の核となる単語を聴きとれず文意が読みとれない、みたいなことがリスニング初回ではよくありますが、2回、3回と繰り返し聴くうちにジグソーパズルのピースが埋まっていく感じでだんだんとわかってきたりするものなんです。
YouTubeなんかで英語の動画を見ることがときどきありますが*1、何度も繰り返し見るということがなかったので、最初の一回目で「あ、ダメだ、やっぱわかんないわ」と諦めちゃってましたが、自分で思うほどにはわからない、聴きとれないというわけでもなかったんですね。出演者がテキストを離れた英語の雑談の中でジョークを言っているのを聞いて吹き出してしまったときなど、自分で自分に驚いてしまいました。*2


そうするうちにだんだんと、「発音」を知ることの必要性を感じるようになりました。
ネイティブの英語を聞けば誰でもすぐに思うことですが、beautifulが「ビューリホー」と聞こえることがよく知られているように、つづり(のローマ字読み)どおりに発音しないので、知っているはずの単語が聴きとれないことがしばしばあったからです。*3
たとえば、ラジオ英会話のある回で「total」が出てきたんですが、自分には「トウロー」と言っているようにしか聞こえませんでした。その回はオリンピックの聖火リレーについてのニュースを読み上げるというものだったので、聖火だけに灯籠か、とよくわからない納得をして、後でテキストを見て全然違っていたことに愕然としました(^^;
total」←証拠にgoo英和辞典へのリンクを張っておきますね。「音声を再生」でその発音を確かめてみてください。


というわけで英語の発音を知るために、定番の『英語耳』isbn:4048688634をはじめ数冊読んでみました。読んで思ったのは、「なんでこんな大事なことを学校では教えてくれなかったんだろう」というお決まりのフレーズ。


「l」と「r」の発音が違っていて日本人にはなかなか聞き分けられないこと、発音に関してよく知られているのはその程度かと思います。ぼくが読んで初耳だと思ったのは、子音の多くは無声音と有声音のペアになっているという法則性*4の話、とりわけ「ジ」は実は2種類あるということでした。
いや、母音の前のtheとか、ziとかを指しているわけではなくてですね…。先ほどと同様、実例を示しましょう。

job

vision

この「ジョブ」(「ジャブ」と言っているように聞こえる)と「ビジョン」(「ビジョンヌ」と言っているように聞こえる)それぞれのジの音の発音記号は実は微妙に異なっています。聞いてみてもあまり違いがわかりませんが、実際違って発音されるそうです。前者は「チ」が有声音化したもの(濁らせて「゛」がつく)でイメージ的には「ヂ」、後者は「シ」の有声子音でイメージ的には「ジ」、という感じになります。なので、jobは「ヂャブ」っぽく発音するものなんですね、実は。*5
無声子音と有声子音のペアの法則を知っていればなるほどそういうこともあるだろうと納得もいきますが、知らなければこんなことがあるなんて想像もつきません。


「t」がしばしばラ行で発音される理由も、これらの本を読んで合点がいきました。
先ほどの「ビューリホー」や「トウロー」がそうですね。他にも、読売ジャイアンツの原監督がフライをとる時の「オーライ!」のかけ声の代わりにメジャー風の「アイガリ!(I got it)」と選手に言うようにさせた、というニュースが昨年ありましたが、ここでもそうなっています。
「t」を発音するとき、舌が歯茎の上のあたりをつつくんですが、「l(エル)」もその少し上ぐらいでごく近い場所を舌でつつくんですね。なので、ことばの途中に出てくる「t」を早口で駆け抜けるとき、より発音しやすい「l」の音になる、と。「r」は舌を巻いてどこにも触れずにラ行っぽく発声する、らしいので、たしかに「l」と「r」では声の出し方にだいぶ違いがあるようです。


こんな感じで少しずつ英語の勉強を進めているところです。
現在はまたちょっと勉強の仕方を変えているので、あと一回、それについて書こうと思ってます。

*1:面白映像・衝撃映像・すごい動画系がほとんどですが、「Britain's Got Talent」などタイトル指定で見ることもあります。

*2:ジョークはその解説を聞いても面白くありません。面白いギャグには何度聞いても「笑える」ものがありますが、それでも、「吹き出す」なんてことができるのは最初の一回限りなんです。アインシュタインも「いいジョークは何度も言わないほうがいい」と言ったそうですしね。英語の勉強、けっこういけそうじゃん!?と思えるようになったのはまさにこの時からでした。

*3:イギリス英語では「often」を「オフトゥン」と読むらしいので、これも必ずしも真なりとは言えないようですが。

*4:単に「ペアのものがある」ということではなくて、「ペアがつくれるものはすべてペアになっている」ということをここでは指しています。いかに英語音痴のぼくだって、pとb、fとvがペアだってことぐらいわかってますよ…(^^;

*5:と言われてもなんのことやら、と思われますよね。「ヂ」はチに点々なので、舌の動きをチにしたまま濁らせて発音します。「ジ」はシのかたちのまま濁らせます。チのときは舌がちょんちょんと歯か歯茎のあたりをつつくはずです。シのときにはどこにも触れず、単に歯の隙間からシーっと音を出すだけ。と、自分も頭では理解したんですが、いまだに発音の使い分けも聞き分けもできません(^^;