SleipnirのちFirefox、ときどきChrome

ぼくがWindowsマシンをPCとして使用していたときに使っていたブラウザは「Sleipnir」でした。昨年の正月にWindowsマシンが壊れて以後はLinuxマシン一本となり、以来Linuxにデフォルトでインストールされているブラウザ「Firefox」を常用するようになりました。


Sleipnirはかなりたくさんの機能をあらかじめAll in Oneで抱えているところがFirefox(やChrome)との大きな違いですが、それでも足りない機能というものはあり、そうしたものはプラグインを入手するか、ユーザスクリプトとして自前で作成する必要があります。Sleipnirユーザだった当時は今より時間があったこともあり、設定やスクリプトを練ってかなりカスタマイズされた環境でWebアクセスをしていました。
そんなわけですから、Firefoxユーザにならざるを得なくなった状況で、ぼくはかなり途方に暮れてしまったんですね。Firefoxは初期状態ではほぼ何の機能も持っていなかったので…。
というわけで、「Firefox アドオン おすすめ」みたいなキーワードでググって一通り定番アドオンをインストールしてみたりしました。そうこうする内にわかってきたことは、Firefoxの場合、必要な機能はたいていどこかの誰かがアドオンを開発して提供してくれていること、そしてその質が(競争相手が多いからでしょうが)高いこと、でした。今後Windows PCがわが家に復活したとしても*1Sleipnirにはおそらく戻らないと思います。


ところで。
このごろ、Firefox界隈が急にきな臭い感じになってきているのを、Firefoxユーザの方ならご存知かと思いますが。この春までFirefoxのバージョンは「3.6」だったんですが、春になり「4」になったはいいものの、その後トントンとメジャーバージョンが繰り上がり、つい先日「6」になってしまいました。
単なる数字の付け方の問題と思われるかもしれませんが、これまで技術寄りのポリシーでムダにメジャーバージョンの数字をいじくることをしてこなかったFirefoxがこのようなスタンスに変わって、何か商業的というか政治的というか、微妙な雰囲気をかもしだしはじめたのが“気持ちワルイ”んですよね…。まあ、そういう感覚的な理由だけでなく、バージョンがトントンあがるとアドオンがついてこれなくなるという実質的な問題も大きいんですが。
で、Firefoxのバージョンが上がると必ず何かしらの不具合があってうまく起動できなくなったりするので、そうしたときの代替手段としてChromeをインストールして、たまに使うようになりました。


このような事態になるまで、ぼくはChromeを忌避しており触ってみようとも思いませんでしたし、今後よほどのことがない限りChromeへの完全乗り換えなど行うつもりもありません。なぜそう思うかと言えば、ChromeGoogleがつくっており、セキュリティ上の懸念を強く感じるからです。
GoogleといえばクラウドクラウドといえばGoogle、と言ってしまってよいほど、Googleクラウド技術のスター企業です。クラウド技術とは定義の仕方はさまざまあるでしょうが、コンピュータのネットワークをベースとした仮想化であるとぼくは思っています。そして、ネットワークベースであるということは、セキュリティ上の大きな問題を抱えている。なぜなら、情報セキュリティスペシャリスト試験の内容を見ても理解できることですが、セキュリティの問題の大きな部分は同時にネットワークの問題だからです*2
Chromeは速度を重視するあまり(というかその代償として、)セキュリティがおざなりになっているのではないか、というのがぼくがChromeに対して抱いている懸念であり、偏見なのです。でも、他に方法がなければ、それにすがるしかない。というわけで現在に至ります…


そんなこんなでときどきChromeを触っているんですが、現時点でのぼくのChromeについての感想は、「確かに速いが、使いづらい」というものです。
そう思う理由は大きく3点あって、

  • Firefoxほどアドオンが充実していない。
  • アドオンの粒度が細かすぎてめんどくさい。たとえばタブ管理などはFirefoxの「Tab Mix Plus」のようなアドオン一つあれば充分なのに、その中の詳細機能の一つ一つをアドオンとして探し、入手し、導入しなければならなかったりするのは非常にめんどう。
  • タブを全部閉じるとウインドウまで落ちてしまう。いったんタブをまっさらにした後でブックマークからページを開くこともある自分のニーズに全然合っていない。対処アドオンはいくつか出ているが、どれも実装が応急処置的でカッコ悪く、イマイチ。

セキュリティ上の懸念が払拭されたとしても上記のような問題が解決されなければ、ぼくにとっては常用に耐えずFirefoxから乗り換えるに至りません。
アメリカではChromeのシェアがFirefoxを上回ったという話も聞きましたので、以上のような話はいずれも時間の問題でそのうち直るんでしょうが…

*1:早く復活させたいんですけどね…。「Linuxのダメなところ」として過去記事にもしてますが、WindowsにはWindowsでよいところがあるので。でも、去年は「2011年にCPUが変わる!」という噂を聞きつけたために「今は買うな、時期が悪い」と思って諦め。その後新CPUの発売延期やゴタゴタがあって未だに待ち続けているという。現在はBulldozer待ち中。そうこうするうちにWindows7の保守期限の話も最近ちらほら耳に入りだし、この頃「Windows8を待つべき…?」と悩み始めました(^^;

*2:そもそも情報の入口がなければ「攻撃」しようがありませんし、出口がなければ「漏洩」なんて起きませんしね。それでは使い物にならないという話は置いといて。