2006年春、マウスあれこれ(1)

ちょっとだけマウスにこだわりのあるぼくですが。
今年の春にあったマウスに関する変わったニュース二つ、ここで触れてまとめておこうと思います。

マウスは、クリックしたときに音がするようにつくられています。
その気になれば音が鳴らないようにつくることはもちろん可能で、実際同じような用途で使われているゲーム機のコントローラのボタンは、押してもほとんど音がしません。なぜマウスはクリック音がするのか、それは「クリック感」を保証するため、というわけで、カバーを外して中を見てみるとわかりますが、音を出すメカニズムが意図的に組み込まれているわけですね。


「マウスは音がするべき」
という考え方自体に、ぼくは実のところほとんど共感できません。同じような用途でも、ゲーム機のコントローラでボタンクリック音が必要だという人は見かけないのに、なぜマウスには必要だということになるのか。
マウスの“クリック感”というマジックワードが、ぼくにはかなり怪しく感じられるんですね。キーボードやマウスをそこそこ触ってきた経験から言うと、キーボードの場合にキーを打って音がするのは、“打鍵感”と言われたりしますが、たしかにキーボードの打ちやすさにそれなりの影響があるように感じられました。しかし、マウスは、クリックの音が大きかろうが小さかろうが、それで「マウスが使いやすい・使いにくい」と感じたためしがないんですよ。


おかしいな、と思われるのは、ここ数年、自作PC業界では「静音」ブームが続いているにもかかわらず、「静音マウス」ということがなぜか意図的に無視されてきたように見えることです。
PCの進歩に伴い、電力の大量消費とそれに伴う発熱の増加から、その対策のためにPCの中でいくつも“扇風機”(ファン)が回るのが現在では当たり前になりました。扇風機は速く回転するほど(弱→強)風切り音が大きくなるため、そうして発生した「騒音」をどうにかできないか、ということで音の小さい「静音」パーツが注目されるようになったのです。
ところが、なぜかキーボードやマウスの静音ということについては全体的に消極的というか、あまり語られないんですよ。キーボードの場合なら理解できる部分もあるんですが、マウスの静音化はもっと注目されていいようにも思ってたんですけどね。
PCで「静音」というと、箱の中身ばかりが一般的にとりあげられますが、ワンルームマンションに一人暮らしなんかしていると、騒音でトラブルになるのはキーボードおよびマウスにほぼ限られると言っていいかと思います。PCケースの中身の音はコンピュータの出す音だから仕方ないが、キーボードやマウスの音は人為的に出されるということ。そしてもう一つ、ケースから出る音より、実際キーボードやマウスの音のほうがずっと大きな音だということ。そんなわけで、隣人が神経質だったりすると、夜10時過ぎてパチパチカチカチやってたら苦情のくることもあるわけなのです。


何とかならないか。というわけで、マウスの静音化に関心のある人はいくつかの手を打ちました。
一番手っとり早いのはやはり音の小さいマウスを入手することです。この方面では、マウスに関してマイナー中のマイナーメーカーである「ビックカメラ」のオリジナルマウスが静かということで定評がありました*1。もちろんぼくも一つ持ってます(^^; ただ、たしかに音は他のマウスに比べて小さいんですが、ゲーム機用コントローラには及ばず、また静音性以外の点でやっぱり品質が劣るんですよ。
それから、市販のマウスを改造してしまう、という方法もあります。実際、マウスの中に音が出るようにするための機構があるので、それを取ってしまってスポンジでも詰めれば静音マウスができあがります。しかし、これはやり直しがききませんので、自己責任で、ご利用は計画的に、という感じ。
もう一つの方法としては、マウスの代わりに別のものを使うことが考えられます。たとえば、この頃のノートPCなんかはタッチパネルを軽くタップすることでクリックできるようになってますよね。他にも、ジョイパッドなどをマウス代わりに使うこともできますし、ぼくのようにAutoHotokeyなどのソフトを利用して、マウスのボタンクリックをマウスよりは音の小さいキーボードに割り当ててクリック音を小さくすることもできます。


ちなみに、ぼくのAutoHotkeyの設定はこんな感じです。

*NumpadLeft::
	MouseClick, left, ,,,, D,
	KeyWait, NumpadLeft
	MouseClick, left, ,,,, U,
	return

*NumpadClear:: Send, {MButton}

*NumpadRight::
	MouseClick, right, ,,,, D,
	KeyWait, NumpadRight
	MouseClick, right, ,,,, U,
	return

*NumpadHome:: Send, {NumpadPgUp}
*NumpadEnd:: Send, {NumpadPgDn}
*NumpadPgUp:: Send, {NumpadHome}
*NumpadPgDn:: Send, {NumpadEnd}

これによって、ぼくは右手をテンキーに置いていることがとても多くなりました。以前は全然使わずにホコリかぶってたのに。
何を設定したのかというと、上から順番に、テンキーの「←(4)」にマウス左クリック、「 (5)」に中クリック(ホイールクリック)、「→(6)」に右クリックを割り当てているのです。「←」と「→」の設定が少しややこしいのはドラッグを実現するため。で、その下では、テンキーの「Home」と「PgUp」を入れ替え、同じく「End」と「PgDn」を入れ替えています。この設定は、「NumLock」の入っているあいだは無効化されます。
テンキー左横にあるピラミッド型の方向キーに親指、4に人差し指、5に中指、6に薬指、Enterに小指を乗せていて、ブラウザでの閲覧もラクラクです。Homeや何かを入れ替えているのもそのためで、しょっちゅう叩くPgUpやPgDnが薬指、比較的頻度の低いHomeやEndが人差し指の位置にあるのが気にいらなかったので替えています。


でもそれじゃあ、マウスポインタの移動はどうするの、ということが気になりますよね。それについては、長くなりましたのでまた次回の話ということで。


あ、ちなみに、このサンコーマウス。静音性では合格ですが、それ以外は不合格というのが購入者の一致した意見のようです(^^;;