ぼくとニコニコとアイマスのこれからの話

タイトルがこれですしblog記事ですので、いつもの自分語りシリーズです。


ニコマス20選」というニコニコ動画の視聴者参加イベントに、2012年から参加させていただいています。

年2回、1〜6月を上半期、7〜12月を下半期として、それぞれの期間にニコニコに投稿された「アイドルマスター」関連の動画を最大20作品チョイスして投票する人気投票イベントで、上半期は7月、下半期は1月に開催されます。
結果はblogやWiki、または動画で発表。2018年上半期は開催されていますが結果発表はまだなので、一番最近だとこちら。


投票はニコニコのマイリストでもblog記事でもいいということなので、ぼくはblog記事で参加。
専用のマイリストをつくって候補にしたいと思った動画をそれに登録しておき、例年上半期は3月、下半期は9月からblogの下書き機能を使ってマイリストをもとに記事起こしを始めます。
その時点でとりあえず20作品以内に候補を絞っていったん選出作品一覧をつくってしまい、以後は作品の入れ替えを進めていく、という感じで。

なぜそんなに前から始めるのかというと「紹介文」の推敲のため。
他の方の20選を見ると選出理由やお気に入りのポイントを書かれていることが多いのですが、ぼくの場合もともとニコニコともアイマスとも関係のない内容の記事を書いていた自分のblogでやる関係で、それをよく知らない人が見にくることからその方向けの紹介を行う意図で始めたのです。
その後はむしろそちらの記事が多くなってしまったので当初の意図はあまり関係がなくなってしまいましたが(^^; 方針を変えずに今まできています。
何を書こうかな、でしばらく手が止まり、ひとたび書くことが決まると書き上げるのは早いんですが、その後はことば尻やニュアンスが気になって細かいところを何度も直す、というのがお決まりの流れなのです。

そんなこんなでしばらく3連休のつづいたこの時期、例年どおりニコマス20選記事の下書きを始めたのですが。

「あとこれ1選」用に書き始めた内容が、書いてくうちに文量が20選本体と同じぐらいになってしまい本末転倒に思われたこと、ややネガティブな内容でみんなで楽しむイベントにふさわしくないと感じたことから、別記事として切り出してあげることにしました。

レギュレーションに適っているかは自信がないのですが、選ぼうとしたのは次のニコニコ運営ブロマガ記事。

ニコニコで「カテゴリ再編」を検討しているとのことで、寄せられた意見の中に次のようなものがありました。

■その他のカテゴリについてのご意見 

◇ニコニコ手芸部は作ってみたと統合、東方とアイマスは廃止、ニコニコインディーズはオリジナル曲と改める、VOCALOIDは歌唱のみとわかる名称に変更する(電子歌唱など)、日記は配信者と改める(匿名)

こうした意見が出てくるのは理解できる気がします。カテゴリは利用者みんなの共有財産なのだから、もっと一般的な内容にするべき、ということですよね。
とはいえカテゴリ再編としてまず着手されるのは「カテゴリの追加」とのことですし、投稿動画全体の上位10位に入っている「アイドルマスター」カテゴリをあえて無くすとは考えにくいと思われます。*1
特定のコンテンツに対するえこひいきだと言われれば申し開きのしようもありませんが、毎年超会議やアニサマアイマスの枠があることなど、ニコニコとアイマスの関係にはいろいろと大人の事情もあるようですし。*2

この意見のとおりになったとしてもそれはニコニコ運営の判断なのだと思いますが。
でももし仮に、アイマスのカテゴリが廃止されたとしたら。ニコマスはどうなっちゃうんだろう、とぼくは思ってしまいました。

このニコ百記事によれば「アイドルマスター」というカテゴリができたのは2009年10月末。
「SUPER IDOL RANKING」(SIR)などからすると、ニコマスに活気があったのはニコニコ開始当初の2007年〜2009年ごろと、アニメ化でファン層の広がった2011年末〜2012年ごろ、という印象なのですが。*3
2007年から2009年にかけてはまだ専用カテゴリも無かったのにどうして盛りあがることができたのか、その頃まだアイマスPでなく当時を知らない自分は気になりました。みてれぅチャンネルで動画を探し、2chの専用スレで話題を追い、とかだったのでしょうか…?
今も専用カテゴリの無い「艦隊これくしょん」がそれなりの賑わいを見せているようなので、そのあたりの状況が参考になるのかもしれません。

あるいはニコニコがアイマスを捨てる(?)より先に、アイマスがニコニコを捨てることのほうがありそうな感じもします。
先のブロマガ記事も、ニコニコからの動画投稿者・生放送配信者の流出やプレミアム会員の激減を受けた「ニコニコのサービス改善」の一環。しばらく昔のニコニコ一強みたいな状況に比べ、今はYouTubeなりAbemaTVなり他の類似サービスの方に勢いがありますし。
アイマスのイベント中継がニコ生以外にYouTubeやPeriscopeで行われるのも一般的になってきました。また、シンデレラのイベントが資本関係のあるAbemaTVでも配信されたこと、シャニマスのラジオがアソビストアというバンナム自前のサイトで行われていることなど、先の話の前兆のようにも受けとれます。

ぼく自身の話になりますが。
「料理」カテや「旅行」カテのお気に入り投稿者さんのYouTube移行があいついだこと、そして、料理カテ視聴者として我慢ならない2017年末の「ニコめし炎上事件」。
さすがのぼくもここでついにニコニコを応援する気持ちがポッキリ折れてしまい、以来YouTubeやbilibiliもチェックするようになりました。*4
週一ぐらいでその週に投稿された動画を見てるんですが、・・・ここでアイマスMADがやっていけるか、ニコマスのように盛りあがれるかは、正直疑問に思っています。

YouTubeはそのサービスの性格上コミュニティーが生まれにくいことが大きい。
カテゴリや専用タグの存在で最新のアイマス動画のフォローがしやすいニコニコに比べそのハードルが段違いに高いこと、YouTube全体に比べたジャンルの規模の相対的な小ささなどから、そもそも人目につきにくく視聴者が定着しない。
YouTubeお得意の「チャンネル登録」により個別の投稿者は追いかけられてもアイマス動画全体の俯瞰ができるわけではない。コメントも基本的に視聴者から作者宛に全体の感想を送るものとなりがちでわいわいと盛りあがることがない。
このため、投稿しても見てもらえない。ので「見せる」「見てもらう」動画を投稿しない。だから余計に視聴者に見向きされなくなる。という悪循環があるようにも見受けられました。
実際投稿される「アイマス動画」はたいてい何の加工もないMVで、単なる動画保管庫扱い。視聴回数もたいていは0〜1桁の超低空飛行です。

bilibiliもアイマスの専用カテゴリ自体はありませんが、基本的に動画タイトルやタグに名前が入れられているので捜索(検索)すれば拾えます。検索ワードは「偶像大師」「偶像大师」のどちらでも可。
視聴者や投稿者がMADをみんなで楽しむマインドをもっているらしいところが、YouTubeよりはるかに近いと思います。「点击」数(クリック数。再生数のこと)も最低2桁はいくようですし。ただ、そのように投稿される動画のほぼすべてがニコニコからの無断転載なのがさびしいところ。オリジナル作品で目につくのはニコニコにも投稿されている女性歌い手Cream Angelさんぐらいでしょうか。
また当然ながらそこには「ことばの壁」があり、日本の作品の投稿は歓迎されても、日本語のコメントが歓迎されることはありません。*5
投稿動画の傾向や文化はニコニコによく似ていても、オリジナル作品が滅多に投稿されないことや日本のぼくたちが参加できるコミュニティーがないという点ではYouTubeと特に違いはない、と言えます。

そんな状況を目の当たりにして、やっぱりぼくは、流れるコメントの上で楽しかったり嬉しかったりが感じられて一緒に盛りあがれるニコニコが、そしてニコマスが好きなんだなあと改めて思わされました。
ニコニコも765プロもその先行きの不透明さ加減に不安で胸いっぱいですが、サービス継続のために少しでも助力できたらと思っています…

*1:こちらを参照ください→https://niconare.nicovideo.jp/watch/kn2939

*2:超会議のアイマス枠にニコニコ側の何らかの作為があったことは、その枠内でアイマスと無関係な在日米軍やN高のバンド演奏が行われたことから明らかでしょう。
アニサマではその逆に、その枠内でアニソンでない曲を毎年披露する機会を得ているのはアイマスぐらいのものかと思われます。知らない方はいないと思いますが、アニサマの主催はドワンゴ(MAGES.)で、当然ニコニコの息がかかっていると考えるべきです。過去に初音ミクや、当時は歌い手のゴムさんがステージにあがったのもそのツテによるもの。

*3:まずは動画の「再生数」などから算出されるpt数について。最上位付近は「外れ値」のようなものなのでここではSIRに載る最下位である「200位」のptの推移を見てみます。
2007年:5,550pts、2008年:5,446pts、2009年:4,666pts、2010年:3,332pts、2011年:3,081pts、
2012年:3,761pts、2013年:2,680pts、2014年:1,596pts、2015年:2,151pts、2016年:2,573pts、
2017年:3,434pts。
次に、SIRそのものの再生数。これもシリーズ最初の動画は「ついなんとはなしに開いてしまった」場合を含むので、完走に至った人の数と見なせる「Finare」の再生数を比べてみたいと思います。刻々変わる値のため適当に丸めますが
2007年:52,000、2008年:20,000、2009年:15,000、2010年:9,000、2011年:16,000、
2012年:13,000、2013年:5,000、2014年:1,400、2015年:1,200、2016年:900、
2017年:400。
ランキングptに表われる「動画の視聴状況」自体は、ニコニコ開始当初から減る一方だったものの2014年に底を打って以後、現在に至るまでだんだん回復してきているようです。
他方、SIRの再生数は「コミュニティーの活況/一体感」の尺度と言えそうですが、こちらは明らかに右下がりの状況で、2011年に一時盛り返しがあったものの大勢を変えるには至らなかった、ということになります。
鉱山が見つかりそばに団地ができて町は栄え、住人の間に一体感が生まれたものの、その後徐々に住民が立ち退き過疎化が進んだ。2011年にいっとき新入居者の入ることがあったものの過疎化は止まらず。2015年以降周辺に戸建ての住宅が建つようになり人口自体はやや回復傾向にあるものの、移り住んできた新住民は自治会に参加せず。たとえて言えばそんな状況でしょうか…

*4:などと言いつつプレアカ継続10年となってしまいました(^^;

*5:実際『バンドリ』など公式で日本アニメの配信などもされています(もちろん字幕)。だからビリビリ主催のリアルイベントに日本のコンテンツも堂々と呼ばれるのではないかと。転載やMADだけだとどうしたってその活動はひそひそでしょうから。