2015年上半期ニコマス20選 私選SIDE-B

半年に一度のニコニコ動画アイドルマスター」カテゴリ視聴者のお祭り『ニコマス20選』。
好きな動画を20作品以内で選んで投票する本イベントですが、お気に入りの作品は20どころではなく毎回悩んで多くの作品を泣く泣く選外にしているため、集計結果が出たところで本編選出(足切りライン20票)されなかった作品の中から選びたかった作品を集めて「私選SIDE-B」という記事を書いています。
2015年上半期も、結果発表そろそろかなと思って9月から本記事を用意し始め、主催者・ばしPのサイトもチェックしているのですが、まだちょっとかかりそうな気配。身辺が慌ただしくなってきているのと、シンデレラのアニメも最終回を迎えたということで、このタイミングで投稿したいと思います。*1
後から結果発表があれば追記したいと思ってますので、よろしくお願いいたします・・・m(_ _)m


(2015/12/5追記)
2015年上半期の作品に対する投票の集計まとめ記事がUPされました!! 集計ほんとにお疲れ様です、そしてありがとうございました。

さらに動画まで! これはうれしい驚きでした(^^)



今回足切りライン15票でした。先走っちゃいましたね(^^; ぼくの20選からの本選選出は8作品。
最後「Welcome!!」で〆るのは、・・・ってことですよね? というわけで、下半期も記事の準備を始めております。今後ともどうぞどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

1月

  • geographyさん

中国唐代の二大詩人・李白杜甫をそれぞれ楓さんと乃々になぞらえ、二人の人物・詩風を紹介する泰葉のアイマス教養講座。
親しみやすくわかりやすいです。とりあえず「李白の五言律詩」と聞くだけで「(笑)」てなるぐらいには理解しましたw

  • スカルちくP

ニコニコ動画に一台旋風を巻き起こしたデレアニ凛の音MAD「○○で少しわからないところがあるんだけど」シリーズ。
その中でぼくが一番笑わせてもらったこちら。なるほどこれがフェスかwww

2月

  • モコキッカーP

モコキッカーPといえば、アイマスキャラで格闘アクションのMMDモーショントレース動画を作る人、というイメージだったのです。
そしてこのTRPGの卓m@s動画。PCが765プロアイドル自身なんですが、PCの真のPLが雪歩、やよい役を伊織、春香役を千早、というふうに、いわゆる「定番カップリング」の相方を演じるシリーズだったはずなのです。
・・・シリーズ途中の回に「予想を春香に超えた天海」タグのあるように、どちらの印象も完全に裏切られました。この先が非常に気になりますので、つづきを早くうpいただくようどうぞよろしくお願いします<(_ _)>

  • あやいずP

locolo codeさん曲(「元動画」からどうぞ)にのせたアイマスファッションショーな春香コラボPV。
ガックンガックンジグザグに上下するジェットコースターに乗っているかのような、おしゃれながら不思議な感覚を覚える映像でした。

  • よみぃP

劇場版の曲が主体の、アイマス公式曲ピアノで演奏してみm@ster。
叙情的でやさしく美しいその旋律に聴き惚れます。

  • かまおP

「私たちはずっと…でしょう?」と「Slapp Happy!!!」歌ってみm@ster。
3年ぶりの投稿になりますが、お変わりないやさしい歌声。

  • アワビP、こらぃゅゆさん、過労死P、ポジP、銘無しさん、5回4失点P、並(ならび)P、ステータス異常P、故P

とても楽しい合作MADですが、同時にアイマスカテゴリの懐の深さを感じる動画。
メンツに並(ならび)Pがいらっしゃるのがいろいろな意味で意外でした。

  • ゆき☆P

千早誕生祝いのアニメOPパロ動画。
発想はダジャレなんですけど、洒落で済まないクオリティ。

3月

  • 名無しさん

「しあわせのレシピ」の曲にアイカツ!「カレンダーガール」の歌を合わせたiM@SHUP楽曲作品。
すごくおしゃれでキラキラ。

4月

  • ポッキーさん

Star!!」の曲に「Twilight Sky」の歌を合わせたiM@SHUP楽曲作品。
再生数5000ぐらいの頃までカテゴリ内順位「過去最高:120位」だった、というのが信じられない。きっと、何度も何度も聴いてる人がいて地味に再生数が積み重なった結果なのかもしれませんね。ぼくもその一人ですが(^^;
落ちサビ直前の間奏から落ちサビへの流れで毎回グッときてるのは秘密。アニメ19話放映の後で再評価されたのか、現在の順位になったようですが。あの後に見返すとさらにやばいっす…

  • cakeさん

ぼくはあなたの動画に感動しました…

  • ああさん

というわけでまた「Twilight Sky」なんですが。これには驚きました(^^;
知らない人が聞いたら機械的に不自然な高さまでキーを上げただけと思われるかもしれませんが…*2

  • プロディP

プロディPが「病人の本気」の実力を遺憾なく発揮した猟奇サスペンスなノベマス『最後の事件』の後継シリーズ。あのハルが、心霊と心理の両面から事件の解決を図るサイコサスペンスです。
一話目から期待に違わぬ面白さで、今後が楽しみ(^^)

  • onoP

ゲーム『太鼓の達人』用のアイマス公式曲「マジで・・・!?」のPV。
ぜひともライブで聴きたい曲の一つなんですが、次の765プロライブはMA3と『マストソングス』曲中心になりそうな気がするので、そこで披露され …てほしいな、と。

5月

  • ぴーぷるさん

ガチで小鳥さんに「空」を歌ってもらいました。て、クッソwwwwwwww

Dimensionの「Origami」という爽やかトランス曲に、各タイトルのテーマ曲を合わせたiM@SHUPメドレー。
非常に気持ちのいいサウンドで振り返るアイマスの歩み。

  • やる夫P

これはダメだwwwww サイアクwwww

  • なっこさん

こぶしが回ってる感じがする、とても力強い「Star!!」歌ってみm@ster。
水樹奈々さんみたいでかっこいい。間奏の豪華な音にはこれぐらいの声量のほうが合ってる気がしました。
サムネでは「マイファーストスター」(一期OPのあの衣装)の凛のかっこをしてますが、杏や蘭子も。

  • 土木真木P

赤羽根Pがあずささんと雪歩にもってきた新しい仕事、山梨でのローカル番組の収録。ひょんなことから桃子と、そのお付きのP見習いくんも行くことになってしまい──
実写背景で旅m@sだったことを思い出しますが、“旅行風景のあるノベマス”という感じ。桃子と「お兄ちゃん」、その他メンバーのやりとりのノリのよさがとても楽しい作品です。それとよくしゃべる!
土木真木Pは今期「うたろまん」の新作もよかった(^^)

  • オレンジパーカーP、サトウくんP、不気味遺産さん

アイドルをやめて別の道に進む真美と、それを見送る亜美。
そんな不気味遺産さんのイラスト「ラフ・アウト!」(笑ってよ!)をモチーフに作成されたPV。
“その後”のお話は、どうしたってグッときちゃうものですよね。*3

6月

ゲーム『流行り神』をDSメンバーで翻案したiM@S架空戦記シリーズ。
サイリョウPの「りょうすずノベルメーカー」を使われており、立ち絵に影が差すのがこのお話によく合っているように思いました。

  • ドダメイクP

みく・志希・友紀・莉嘉が限定物アップルパイをかけてカードゲーム『王への請願』で火花を散らす卓m@s。
ゆっくりボイスなよく動くぷちデレたちはボーッと見てても楽しいw

  • 焼肉さん

PLは春香・律子・千早・亜美・あずさ、GM小鳥さんのSW2.0の卓m@s。
次回からの本編は多少落ち着いてますが、この導入編など演出に気合が入りすぎてて鳥肌ものでした。どうか失踪しないでくださいお願いしますお願いします・・・

  • でんじろうさん

亜美真美版『水曜どうでしょう』の手描きイラストのスライドショー。
この二人なら、どこでも行けそうだし、どこに行っても楽しそう(^^)

  • しゃもP

律ちゃんの誕生日を祝した、アニメ・ゲーム・手描きのコラボPV。
穏やかながら前向きな作風で。ファイナルラップの先に「門出」が待ってるというこの歌詞が、なんだかじーんと腑に落ちてくるというか。

  • りかぽぅP

こちらも律ちゃん誕生祝いのMMD-PV。
おしゃれで落ち着いた曲を使っていること、セピア調の色使いもあり、アルバムを見ながら来し方を振り返ってる感があります。

  • 毛糸さん

トリは精力的にアイマス公式曲ギター演奏動画をあげつづけられているこの方。
サビ前の唐突なアコギにラテンの風を感じましたw



最後に。
アイマス10周年のメモリアルイヤーである今年、最後の20選に関する記事になると思いますので、それにふさわしい動画を紹介して終わりたいと思います。
たまたまこの動画を見返してたら、その数日後にリメイク版が投稿されてかなりびっくりしました(^^;

  • museP


あとがき

この「私選SIDE-B」を始めることにしたもともとのきっかけは、「紹介文の供養」だったりします。
ぼくは20選記事を対象期間の終わりのだいぶ前から書き始めるのですが、そうすると書き上げたあとにまだ期間が残っていて、後から投稿された作品を選ぶことにすると、紹介記事を書いた作品が押し出されてしまうんですね。
せっかく書いたのに… と思っていたので、その供養を兼ねて別記事をあげたらどうか、と思ったのです。やり方は公式で行われていたSIDE-Bの形式を踏襲することにしました。


せっかくSIDE-Bをあげるなら、ということでもう一つやっているのは、注目しているシリーズ作品のピックアップ。
20選本選の動画選出で心がけているのは大きく2点、「アイマスを知らない人にも興味をもってもらえる」作品を選ぶことと、「カテゴリーのバラエティの豊かさを感じてもらう」こと。
この選出基準によって、クオリティが高いにも関わらずまっ先に外されるのが「完結してないシリーズもの」なのです。(続きものでも一話完結的に見られるものを除く) 完結してないと感想が書きづらい、ということもありますが、途中で採り上げると、その後同じシリーズを何度も選出する可能性が出てくるのが引っかかり、本選で選び切れず…


「もっと評価されるべき」といったテーマで選んでいないため、「埋もれ発掘」のような目的にぼくの20選は向いていないと思われます。
一方でバラエティというかジャンルのバランスを気にしているため、あまり他の方では選ばれない「パフォーマンス系」(演奏してみたとか、iM@SHUPとか)の作品をピックアップするのが特徴かもしれません。



「目が離れすぎている」で有名なマンガ家の地獄のミサワさんが、実は熱烈なアイマスPで、10周年ライブに現地参戦した、とのことで。その感想を語ったウェブラジオ音源の転載になりますが…


名前を知ってるのと少しだけマンガを見たことがあるのみで、あまりよく知らなかったのですが、この方のことぼくは「クールな皮肉屋」だと思ってたんです。
だから、まさかこんなに熱く語る人だとは思わなかったし、その対象がアイマスであることにかなりの驚きを覚えました。
この、しみじみ「よかった…」って言ってるのが、うんうん、とうなづきながら聴いてたのですが。だいぶ後のほうで「実在問題」という話題が出てきまして。


どういう話か詳細についてはラジオを聞いていただければと思いますが、簡単にまとめてみますと、ゲームやアニメから入った人が、「中の人」が歌って踊るライブを見て楽しめるのかどうか、自分が好きになったのはあくまでゲームやアニメに出てきた「キャラ」であって云々、というもの。
以前Yahoo!知恵袋かどこかで、そのときは別コンテンツでしたが、ライブ参戦前にまったく同じ不安を吐露されてる方の話を見かけたことがあり、この動画にも「誰もが通る道」とのコメントがあります。
ただ、ぼくはその道を通らなかったので、「共感」は正直しにくいのですが。その考え方自体は「理解」できなくもない、かな・・・ と。


そのコンテンツに触れて、その登場人物の“在り方”に強い思い入れを抱き、好きになったり感動したりしたものが、「誰か」の(しかもおそらくは男性の)作為と認めがたい、それを認めると何かが失われてしまう、そういう感覚なのかなと思います。*4
そうじゃないかもしれませんが、とりあえずそういう仮定を置くことにすると。これって、「現実じゃないものにハマるのって…」という人たちの考え方の裏返し、ネガなんじゃないか、と思ったんですよね。根っこに同じ「現実じゃないものにハマるのって…」という考え方(前提)があるから、ハマったものを「実在(現実)」ということにしないと済まないことになってしまう。
その場合に、そういう前提を取り払ったらどうだろう。と、簡単に言ってしまうのはアレかもしれませんが…


なんとなく、こういう受け取り方って、見ているものが2次元あるいは2.5次元(3DCG)の場合に特有な現象のように思いました。モニターの上では、手描き、CG、生身であっても差別なく同じ土俵の上に存在してしまうわけで、そのことが逆に、それをどう捉えるべきかという問題を呼び起こしてしまうのではないか。
ぼくはもともと、そういう言い方をするなら「1次元オタク」(要するに活字オタク)なのですが、1次元オタクが同じような事態に直面しても同じ話には現にならなかったよな、と思ったので。


中一の頃だったと思いますが、『野菊の墓[asin:4101048010] を、登場人物と歳が近かったのもあって自分のことのように思いながら読んで、泣いてしまったのを覚えています。
このような「小説を読む」というシチュエーションで、「作者の作為」というものを否認できるかといったら、できるはずがないのです。それこそこのト書きはどこから出てきたんだ、という話になってしまう。というか表紙に思いっきり「作・伊藤左千夫」とデカデカ書いてある。それどころか、そもそも「伊藤左千夫が書いたから」こそ、それを手に取ったわけです。
そんな明らかに「誰かのつくりごと」であることが否定できない状況で、それで感情移入できないか、感動するのはおかしいか、といったら、答えは決まっています。そんなはずが、ないのです。


この話は、逆に3次元=実写ドラマ・実写映画で展開しても、詳細は省きますが似たような結論になります。
だから、そんなに狭く考える必要なんてないんじゃないかな、と思うんですが、…まあ気持ちの問題が理屈で解消できるようなら世界はもっと平和ですよね(^^;
実在問題にハマってしまった方は、とりあえず「プロデューサー予定表」からでも辿れるアイマスの公式ラジオを聴いてみたらいかがでしょうか、と、それが日課になってる人間の意見として。おすすめのコーn プログラムは「ITポリス」、「オレディオコメンタリー」、「ニセ次回予告タイプA」、「Sideコマーシャル」と「ドラマチックスタジオ」、あと「名言めもちょ」ですかね〜…(^^;



この後の書き物ですが。とりあえずどこかに書き留めておかないと、と思って残した、アイマスのアニメに絡めた、ごく個人的で、やや重い話になります。面白い話は出てきませんので、ブラウザバックをお願いいたします・・・

(ちょっと行を空けます)














前の765プロのシリーズも、今回のシンデレラのシリーズも、その物語一番のヤマ場(?)のお話が、なぜか自分自身の最も辛かった過去とリンクするのです。
登場人物の姿に昔のヘコんだ自分がダブって見えて、とにかく胸が苦しかった。というお話です。



765のときは、千早でした。
アニメの千早と当時の自分とは、「ショックで声が出なくなったことがある」「両親が離婚している」「数年前に弟を亡くしている」というシリアスな共通点がありまして。20話が、全然ひとごとと思えませんでした。
千早役の今井麻美さんがアイマス9thライブのBDのオーディオコメンタリーで、泣いて目の前の床に水たまりができた、という話をされてましたが、ぼくも弟を亡くしたとき同じ経験をしています。ごくふつうの男兄弟で、特別仲が良いわけでもなかったんですけども。
アニマス放映当時はそれから数年経っていたのですが、まだ完全には立ち直れていなくて、数日に一度は弟のことを思い出して悔恨の念を抱き、ということを繰り返していたのです。
そんな状態で迎えた20話。
後で、千早に対して「人間があんなふうに泣くわけがない」って言ってる人を見かけたんですが、すいませんここに実例がいるんですけど、って思いました。20話視聴時のぼくは、きっと千早と同じ顔をしていたはずです。
このアニメが始まった当時、ぼくはアイマスファンではありませんでした。19話まで見続けていながら、まだ単なる一視聴者に過ぎませんでした。だから、20話を見て泣いたのは、アイマスへの思い入れ、愛情からではもちろんありませんでした。ただ純粋に、千早に感情移入し、その結末に胸を揺さぶられ、込み上げてくるものが抑えられなかった。


そしてシンデレラ。今度は、卯月です。


このblogの別記事で過去に何度か触れていますが、ぼくは新興宗教信者の両親のもとに生まれた、生まれながらの新宗教徒、でした。
ぼく自身クソマジメを絵に描いたような人間ですし、親も熱心な信者でしたので、中学・高校はその教団が運営している私立校に通い、教団の活動に積極的に参加し、と、完全に教団内のエリートとしての道を歩んでいました。
その結果当然のことながら、知人も友人も親友もほぼ全員が教団関係者、という環境で育つこととなったわけです。


ただ、周囲の人とぼくとでは少なくとも一つ大きな違いがありました。ぼくが非常に「頭でっかち」だったことです。高校の頃、いろいろ経緯もありますが、ぼくは「宗教的真理」と呼ばれるものの<真理>性について思いを巡らすようになりまして。そうして考えたことが頭の中でグルグル回った挙句、大学入学を機に棄教することを決意したのです。*5
当時の友人、知人たちが温厚で善良な、個人としてすばらしい人々であることを、今もぼくは疑っていません。しかし、教義を、ひいては教団を疑うことを認めない教条主義原理主義的な考え方を、ぼくはついに呑み込むことができませんでした。
…ぼくは、教団とともに、友人・知人を<裏切り・背き>、俗世にたった一人取り残される覚悟を決めたのです。親から勘当されることすら覚悟していました。当時のぼくにとってそれは、アイデンティティ・クライシスを呼び起こさずにはいられないことでした。


ぼくの棄教は、ぼくとぼくの家族を含め、周囲の人々の間にそれなりの波紋を呼び起こします。
実家を離れ一人暮らししていたところ(このことがあったので、わざと実家から離れた大学を選んだということもありますが)、その地元の信者の方が数日おきに訪問してくるのにも参りました。
しかし何より辛かったのは、親友たちからの度重なる連絡に「そっけない」「つれない」態度をとらざるをえなかったことです。そんなとき決まって、とても「申し訳ない」思い、後ろめたさ、良心の呵責が生じて胸を痛めましたし、一方で友だちの、何の屈託なく明るく前向きに信仰をたもっていられるその姿に、眩しさ、羨ましさ、そして寂しさを覚えてもいました。
そして、Xデーが来ました。親友が訪問してきたのです。
しばらくは何でもない“友人同士の”会話をしていたのですが、目的は互いにわかっています。ふいに友だちから本題を切り出されて、ぼくに対する説得が始まりました。
ぼく自身は信じられなくなったのでやめることにしたものの、友人たちにやめてほしいとは今でも思っていないのです。宗教を「否定」するのでなく「拒否」している、ということなのですが*6 、だからこそ、ぼくはぼくの考えを友人に理解し納得してもらおうとは思わなかった。当然友だちとの対話は、どこまで行っても平行線でした。
何時間にも及ぶ話し合いの末、「なんでだよ、どうしてだよ」とこぼして悔し泣きする友だちを見て、ぼくも「ごめん」と泣きながら謝ることしかできませんでした。


小松左京が、自身の共産党からの<転向>の経験をもとに短編を書いていますが。現在進行形で共産党員である知人と出会ったときの「気まずさ」の描写は、同様の経験をした人間として痛いほどに理解できます。
そして今回のシンデレラのアニメ。卯月の「置いていかれてしまった」ことへの胸が張り裂けそうになるほどの不安と自失、凛の「置いていってしまった」ことへの後悔と自責の念、未央のやさしい気づかい、誰も悪くないのになぜこんなことにというやり切れなさ、それでも変わることを選択するその姿。
悩んでいることの内容は違えど、“身に覚えのあり過ぎる”その状況、その心情のありように、ぼくは、涙をこらえることができませんでした・・・


そして。
いつになるかわかりませんが、ミリオンもアニメ化することと思います。


ミリオンは、アイマス10thライブのパンフレットの中で今井さんも言っているように非常に「ドラマチックなチーム」で。アニメの物語で山場を演出するのに使えそうなネタは、リアルでひととおりやり尽くしてしまいそうな勢いです。
ミリオン1stライブでは「中心メンバーがライブ目前にして体調不良で不参加、空いた穴をチームメンバーが協力して埋め、最後のステージで復帰する」というシンデレラのアニメにもあったことが実際に起きました。*7
2ndライブでは「機材の不調で歌の最中に曲が停まってしまい、演者とファンが一致団結、アカペラで合唱して歌い遂げる」という、これは765のアニメで似たエピソードがありましたが、これまた現実に起こっています。


こういう図式化は単純に過ぎるとは思いますが、なんというか、バラエティ豊かな強い個性が集まる「笑い」のシンデレラに対して、若葉マークのメンバーが団結してハードルを乗り越えていく「涙」のミリオン、という印象があり。チームの演者のニックネーム、「シンデレラ一門」に対して「ミリオン一座」という呼び名も、こうしたチームの性格を反映したものでしょうか。
そんなシンデレラのアニメにすらこれほど泣かされているのに、ミリオンアニメ化の暁にはどんだけ泣かされることになるのか。・・・今のぼくには想像もつきません。今度はどんなトラウマが掘り返されることになるか、身震いのする思いがします。*8
これがSideMなら、「転職」エピソードで何かひと悶着ある感じですかね… ぼくも転職経験者ですが、さすがに転職にはトラウマはないので(^^;



最後に、この場を借りて改めて。
スタッフの皆さん、演者の皆さん。素晴らしい作品を本当にありがとうございました。


また、gouzouさんにもお礼を言わせてください。
どちらにリンクを張ればよいか迷ったのですが、連載初回にさせていただきました。→アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第1話 またアイマスを好きになる1話!(前編):そんなことよりアイマスの話をしようぜ - ブロマガ
あなたのアニメ感想文を読んで何度目頭を熱くしたことか。彼女たちを見守る目線のやさしさ、あたたかさに、いつも元気と勇気と安心感をいただいていました。本当に、本当にありがとうございました。*9

*1:いちおう各動画の「公開マイリスト」を見て20票未満であることまでは確認しました。blog投票分は含まれていませんが、悪しからずご了解いただけたら。

*2:「もちょ」と呼ぶのがアイマスP、「もち」と呼ぶのがトラハモリスナー、そしてCharlotteでこの子を知った人は「もちょさん」と呼ぶようです。ミリラジで最近ちらほら見かけるようになりました。

*3:よくあるモチーフなのかもしれませんが、ぼくはこのイラストを見て、ガルシアPの「とのばな」を思い出してしまいました。これがその後の「無敵の亜美」につながっていくのかと思うと、なんだか…

*4:「心情的」否認の心理機制として思い当たったのがこれでした。
一方、よく言われる「現実と虚構の区別がついていない」という「認知的」否認の場合でもこのような現象は起こりえますが、そもそも認知的な問題はそれこそ統合失調症のような認知的病理ケース以外にありえず、ラジオでの話の内容を聞く限りそれに当たると思えませんでしたのでその可能性は無いと判断しています。

*5:主な影響を受け、ぼくの理論武装の主軸となり、立ち向かう勇気をもらったのは、パースやポパーといった人々の展開する「可謬主義」(かびゅうしゅぎ、fallibilism)の哲学でした。
ぼくは依然として可謬主義者(かつプラグマティスト)ではありますが、ローティーのような相対主義者ではありません(ローティーはそう呼ばれることを嫌がるでしょうが)。初心者向けの哲学紹介として書いている記事のシリーズ「マトモな哲学のすすめ」でいつか採り上げられたら。

*6:宗教を否定しない理由の一端はこれらの記事の中で説明しています。→宗教的な、あまりに宗教的な - hideo’s hideout.森達也『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』(2) - hideo’s hideout.

*7:デレアニ24話最後の卯月のステージ。そのときのニュージェネ3人の姿に、この中野での、最上静香役・田所あずささんのソロとそれを見守る山崎はるかさん・麻倉ももさんを重ねて見てしまったのは、ぼくだけじゃないはず…

*8:中心メンバーの年齢(14歳ぐらい)が765やシンデレラに比べてより若いので、今回のシンデレラのような感傷的なお話よりは、765のアニメやゲッサンのマンガ連載のように少年マンガ的なカラッとした展開のほうがフィットする気はします。
ですが、そもそも「バラエティ班」だと思っていたシンデレラでこんな展開をすること自体ぼくにとっては想定外で、しかもこれほどのドラマをつくり上げることができたアニメスタッフ陣ですので。いい意味で「見込み違い」な作品を、期待しちゃいますよね。

*9:ヤマ場の話しかしてないのでこの文章だけ見ると「悲しい」「切ない」って泣いてばかりのように見えてしまってすみません(^^; むしろぼくは「やさしいなあ、あったけえなあ」と思って泣くのが大半なんです。13話でグスグスしたポイントも「ファンレターのメッセージが目に入ったとき」(未央のセリフの前)と最後の「集合写真にPがいるのがわかったとき」でしたしね。