ニコニコらしさって?(1)

ニコニコしはじめた頃の思い出話

「継続プレミアムLv4」のスタンプがもらえました。
ニコニコにアクセスしたらお知らせアイコンが「1」になっていたので何かと思って見てみたところ、このスタンプ獲得のお知らせで、「プレミアム会員4年間継続した」とのこと。そっか、もうそんなに経つのか… とちょっと感傷に浸ってしまいました。


ニコニコ動画が誕生したのは今から6年前、2006年末のこと。今年は「5周年」ということでその関係の企画をやってたりしましたが、当初のぼくのニコニコに対する印象は、「ひろゆきが関わってる2ch系のあやしいサイト」というものでした(^^;*1 そもそも会員制になっていて間口を狭くしている時点でぼく的に印象がよくないんですが、YouTubeとのイザコザもあり、なんかヤバそうだと。
そんなぼくがニコニコを始める直接のきっかけになったのは、一言で言えば「ゾンビーズの新作が見たかったから」です。
ゾンビーズが話題になったのがやはり2006年ごろでしょうか。YouTubeであの「ドラえもんダンス」を見て面白かったので、しばらくフォローしてたんですが。そしたら、2007年に入って、新作ダンス動画をニコニコに上げるようになっちゃったんですね。えー、しょうがないなあ。という理由で、ぼくはニコニコユーザーになったわけなんです。


それから1年以上経った2008年の秋ごろ、ニコニコが激重になりまして。動画が再生できなかったり再生できても途中で止まったり。もうこりゃダメだ、と。
そんなとき、ニコニコでは「尻P」として知られるSF作家の野尻抱介さんが、この声明を出したんですね。

(元サイト掲載終了のためリンク先はwebアーカイブです)

「大人はとっととプレミアム会員になろう。」
この一言にぼくはシビレてしまいました。ニコニコにお世話になっている時間を考えたら、月525円はたしかに安い。…というわけでプレミアム会員になってはや4年が経ったのです。*2

ニコニコらしさって?

すでに書いたように、2012年はニコニコ動画(と初音ミク)の誕生5周年にあたります。そんなわけで、「原点回帰」を掲げていろいろな企画が実施されました。
ユーザー側の動きとしては、あの「レッツゴー!陰陽師」が七夕の日に1000万再生を突破してお礼動画がアップされたり、初音ミク生誕5周年に合わせて回顧動画がアップされた影響で初期の有名曲がランキングにあがったり、ikaさんが復活して初音ミクの代表曲と言っていい「みっくみくにしてあげる」のアレンジ版が出たり、といったこともありました。中でも自分的にうれしかったのが「友人マリオ」シリーズの続編が始まったことだったりします。*3


その流れの中で、今のニコニコ動画には「ニコニコらしさ」が無くなった、という声を耳にすることがありました。
ぼくは、今と昔を比較するタイプの言説には、基本的に気をつけるようにしています。なかばライフワークのようになっているので、同じテーマで何度も記事を書いていますが…


今回はニコニコについて、ちょっと考えてみたいな、と。


そもそも「ニコニコらしさ」とは何でしょうか?
はじめのうち、ニコニコ動画は、YouTube他の動画サイトにアップされた動画上にコメントを流すサービスだったと記憶しています。その機能こそがニコニコなのだということであれば、当時と何も変わりがありません。…というのは揚げ足取りですね、すみません(^^; そのようなことを言う人が本当に言いたかったのはむしろ、それでYouTubeから追い出され、自前で動画サービスを始めた後のサイトの空気のことだと思いますので。
その意味において、今と昔で空気が違っているのはたしかなことと思います。そのことは、下記のような回顧系動画を見れば明らかです。*4



以下の大百科記事も参考になるでしょうか。


なんのひねりもない丸上げか、2chっぽいネタ動画が多かった、というのがぼくの昔のニコ動に対する印象です。「歌ってみた」は替え歌や合唱編集ものが多かったし、人早系の音MADもしょっちゅう上がってました。*5 それと、「演奏してみた」や「踊ってみた」といったジャンルも今より人気があり、しかし出演者は軒並み「マスク着用」というかなり異様な絵面でした。何かが流行ると半月ほど同じような動画でランキングが埋めつくされてたような気もします。
それに対し現在は「ネタからベタへ」と言っていいのかわかりませんが、演出や編集もプロ並みのガチ動画が多くなった気がします。その一つの証左として、今ではボカロオリジナル曲にガチPVのつくのが当たり前になった、ということを指摘できるでしょう。*6


以上はしかし明確な根拠を示せない「印象論」の域を出ていません。
この問題をちょっと深掘りしてみたいので、ここからは少し学術の助けを借りたいと思います。
つづきは次回に。


次回と次々回:

*1:ぼくのアカウントのアドレスが捨てアド向けのフリーメールなのはその名残り。おかしなことに巻き込まれそうになったら切り捨てる気マンマンだったんですね。どんだけ警戒してたんだと(^^;

*2:ちなみに、ぼくがドワンゴの株主になったのは、株主優待でプレミアム会員費が安くなったりしないかな、という下心がちょっとあったりしました(^^; そもそも安い株ではないこと、やることが派手なのでリスクが高いこと、そして配当の出し方が独特なこと(慢性赤字なのに無配にならないことから想像がつくと思いますが)から、あまりおすすめはしません。

*3:「心折設計」と言われたその鬼畜さもアイワナのおかげで印象が多少薄れたとはいえ、その面白さに翳りはありません。「スカイツリー」ステージなど、よくこんなものが思いつくものだと感心してしまいます。「孔明の罠」や「喜びの舞」も健在で、懐かしさも覚えました。

*4:「古参ホイホイ」とか「ニコニコ動画の歴史」といったタグで検索をかけると、このような動画がたくさんヒットします。

*5:モチーフは今でも人気の根強い「松岡修造」や「兄貴」のほか、「フタエノキワミ」とか「頭がパーン」とか「ドナルド」とか…。ちなみに人早は「人類には早すぎる」の略です。

*6:これは正確ではありません。PVのないボカロ曲はそれこそ“ごまん”とあります(「VOCALOID」タグで検索して「投稿日時が新しい順」でいくつか見てもらえばそのことはすぐわかります)。むしろ事態は逆なのであり、PVのある曲のほうが人気が出てランキングに載りやすいので印象によく残るのです。「千本桜」やじんさんの「カゲロウプロジェクト」関係などはその典型例ではないでしょうか。ぼくも好きですが、美しい映像の力で人気が底上げされていること自体は疑いようがないと思っています。